竟成法律事務所のブログ

大阪市北区西天満2-6-8 堂島ビルヂング409号室にある金融法や民事事件を重点的に取り扱う法律事務所です(TEL 06-6926-4470、大阪弁護士会所属)

実務家向け

【軽犯罪法】こじきの罪の基礎知識

今回のテーマ みなさんは「こじき(乞食)」という言葉をご存知かと思います。 例えば、広辞苑(第7版)は「こじき」という言葉について以下のように説明します。 〔古くは「こつじき」〕金銭・食べ物などを人からもらって生きていくこと。また,その者。も…

【民事保全法】仮差押供託金(保証供託)の取戻請求権の消滅時効起算点について

今回のテーマ 今回のテーマは、仮差押をした場合に供託する保証金(裁判上の保証供託)の取戻請求権の消滅時効です。 実務家向けの備忘録です。 尚、供託手続に関する基本的な知識については、例えば法務省の以下のサイトを御覧ください。 法務省:供託手続h…

【金商法】社員権投資詐欺に関する裁判例メモ

今回のテーマ このページは、いわゆる「社員権」に関する投資詐欺について、下級審裁判例を幾つかメモするものです。備忘録的なページです。 今回のテーマ 東京地判令和6年10月7日金判1716号39頁 東京地判令和5年12月26日LEX/DB25611713 東京地判令和5年12月…

【民法】独身偽装していた交際相手に慰謝料請求できますか?

今日のテーマ 最近話題になっている「独身偽装」。 「未婚はブランド」 疑似恋愛でもしたい、独身偽装する男性の言い分 | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20250331/k00/00m/040/125000c 「不倫してたんだ」。既婚者が独身と詐称して交際する「独身偽…

【離婚】財産分与に関する新旧実務の違い(オーバーローン不動産)

今回のテーマ 離婚をすることになり財産分与をすることになったけれど、自宅の評価額(例:1000万円)が住宅ローンの残額(例:1500万円)を下回っているいわゆる「オーバーローン」の場合、財産分与はどうなるのか? ① そもそも、自宅は無価値なのに財産分…

【刑法】侮辱罪(刑法231条)に関する基礎知識

今回のテーマ 「これって侮辱罪(刑法231条)に該当するんじゃないですか?」というご質問を頂くことがあります。 というわけで、今回のテーマは、「侮辱罪(刑法231条)に関する基礎知識」です。

【民法】離婚訴訟における不倫(不貞行為)の立証に関するよくある誤解

今回の質問 「夫 or 妻が不倫したので離婚の訴えを提起していますが、不倫や浮気(不貞な行為〔民法770条1項1号〕)を立証できない場合、離婚は認められませんか?」 回答 不倫や浮気(民法770条1項1号が定める「不貞な行為」)が立証できなくても離婚請求が…

【労働法】試用期間中の社員がうつ病になったしまった場合の対応について

今回の質問 「試用期間中の社員がうつ病になってしまったのですが、試用期間なので当然、解雇しても良いですよね?」 今回の質問 結論 説明 試用期間とは? 解約権の行使は自由にできる? 解約権を適法に行使するための条件(要件) 裁判例 東京地判令和6年7…

【民訴】簡易裁判所の許可代理人って何?

今回のテーマ 今回のテーマは簡易裁判所(簡裁)の許可代理人とは何か? どんな場合に許されるのか?です。 尚、今回のテーマは「簡易裁判所(簡裁)」の許可代人であり、「家庭裁判所(家裁)」の許可代理人の話ではありません。よく似ていますが別物ですの…

【弁護士法】「品位を失うべき非行」とは何か

今回のテーマ 今回は、弁護士法56条1項が懲戒事由として定める「品位を失うべき非行」に関する情報の整理をしてみたいと思います。 (懲戒事由及び懲戒権者)弁護士法第56条1 弁護士及び弁護士法人は、この法律(弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員又…

暗号資産の相談対応に必要な基礎知識①

今回のテーマ 弁護士の方々が、暗号資産に関する法律相談を受ける際に必要な、ごくごく基本的な知識(全くもって応用的・先進的な知識ではありません。)について、ご紹介いたします。 読者の方々のお役に立てば望外の喜びです。

【民法・破産法】不倫をした夫or妻が破産した場合、その夫or妻に対して慰謝料請求はできない?

今回のテーマ 今回のテーマは、不倫(不貞行為)をした自分の夫 or 妻が破産して免責許可決定を受けた場合、その夫 or 妻に対して慰謝料請求をすることはできるか?(慰謝料請求権は免責債権になるのか?)です。 尚、これとよく似ているけれど別のテーマと…

【民法】契約の解除と契約の個数に関するメモ(多角契約)

今回のテーマ 今回のテーマは、ある取引で複数の給付が予定されていた場合において、一部の給付について不履行があった場合の解除の可否、です。 【問題】 例えば、美術作品①~④を購入するという取引を行なった場合において、美術作品②の取引について不履行…

【民法】「いじめ」であれば必ず損害賠償しなければいけないのか?

今回のテーマ いわゆる、「いじめ」は道義的に許されるものではありません。 この点については争いがないと考えられます。 では、「いじめ」は、必ず、損害賠償責任を発生させる行為(民法709条の「不法行為」)に当たるのでしょうか?

【親族法】未成年者が親権者を訴える場合、特別代理人の選任は必要?

今回のテーマ 今回のテーマは「未成年者が親権者を訴えようとする場合、特別代理人の選任が必要か?」です。 例えば、父親Aが、母親BとAB間の子C(未成年)に対して暴力を振るっていたとしてます。 この場合、母親Bと子Cが父親Aを訴えようとしても、…

【裁判例メモ】マンションの売買契約において法令適合性に係る動機の錯誤が問題となった事例(錯誤を否定)

出典 東京地判令和4年3月29日判時2365号61頁 事案の概要 買主である原告が東京都港区の高層マンションを7億5000万円で購入したところ、マンションの免震オイルダンパーに建築基準法違反等の疑いが生じたことから、マンションの売買契約には錯誤があるとして…

【裁判例メモ】未成年の顧客に対するホストクラブからの請求が無効とされる場合について

出典 東京地判平成25年1月17日LEX/DB25510460 担当裁判官 佐々木清一 佐々木 清一 | 裁判官 | 新日本法規WEBサイトhttps://www.sn-hoki.co.jp/judge/judge1247/ 判決文抜粋 「Aはホストクラブであり,その営業は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する…

【医師法・歯科医師法】応召義務に関するメモ

今回のテーマ 今回は、医師法及び歯科医師法が定める「応召義務」に関する備忘録的なメモです。 尚、一般には応召義務と呼ばれますが、応召義務という名称は適切ではなく、「応需義務」という表現が適切という指摘は古くから存在します。この点について、磯…

法定離婚事由「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」について

今回のテーマ 離婚について協議が成立しない場合、現在の実務では、離婚の訴えを提起することになります。 そして、「どのような場合に離婚の訴えが認められるか?」(裁判所が強制的に離婚を命じることができるか)について、民法770条は次のように定めてい…

審判前の保全処分で子の引渡しが認められた場合、直接強制をするためには、いつまでに何をすれば良い?(執行の着手論)

今回のテーマ 今回のテーマは、審判前の保全処分で子の引渡しが認められた場合、直接強制をするためには、いつまでに何をすれば良いのか?です。 解釈論としては、家事事件手続法109条3項、民事保全法43条2項の問題です。 審判前の保全処分たる子の引渡しに…

「誹謗中傷とは何か? 正当な批評とは何が違うのか?」に関するメモ

■今日のテーマ 今日のテーマは、「誹謗中傷とは何か? 正当な批評とは何が違うのか?」という疑問に関する備忘録的なメモです。 あくまで備忘録的なメモであり、この記事を御覧になれば、誹謗中傷についてエキスパートになれる、というものではありません。

【民法】第三者弁済をする正当な利益って何?

■今日のテーマ 今日のテーマは、たまに質問を受けることがある「弁済をするについて正当な利益」(民法474条2項)とは何か?です。 特に目新しい事項を記すものではございません。備忘録的記事です。 (第三者の弁済)第474条 1 債務の弁済は、第三者も…

【交通事故】評価損に関する基礎知識

■今日のテーマ 今日のテーマは、交通事故の際に登場する「評価損」について基礎知識を簡単にご紹介する、です。 ■今日のテーマ ■評価損とは? ■評価損という損害は認められるのか? ■評価損はどのような場合に発生するのか? ■評価損の計算方法 ■公式サイト

【民法】「履行の請求」(民法412条3項)に関するメモ

■今日のテーマ 「履行の請求」(民法412条3項)の意義に関する備忘録的記事です。 (履行期と履行遅滞)第412条1 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。2 債務の履行について不確定期限がある…

【刑事法】民事不介入の原則に関するメモ

■今日のテーマ 皆さんも「110番通報して,臨場してもらったけれど、警察官が『民事不介入だから』と言って、何もしてくれなかった」、「警察署に相談に行ったけれど、『民事不介入の原則があるから何もできない』と言われた」というような話を直接聞いたり、…

【民法・家族法】離婚後の共同親権に関する淡々とした基礎知識

■今回のテーマ 今回のテーマは、「離婚後の共同親権に関する学説や論拠・批判等を淡々と紹介しよう」です。 離婚後の共同親権について、賛成のお立場であっても、反対のお立場であっても、相手方の見解を正確に理解することは重要です。 対立が激しい論点で…

【民法】「懲戒権って何?」と思った方のための基本的解説

■今日のテーマ 次のような報道が為されています。 体罰・虐待を正当化する口実に…子への民法「懲戒権」見直しへ 読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220105-OYT1T50100/ 懲戒権について民法822条は「親権を行う者は、監護及び教育に必要な範…

【憲法】統治行為論に関するメモ

■今回のテーマ 本日(2020/06/13),以下のような報道に接しました。 砂川事件、判決原案を批判する「調査官メモ」見つかる:朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASN6D7R9QN61UTIL03G.html 「極めて政治性の高い国家行為は、裁判所が是非を論じ…

【民法】Twitterで他人の投稿をそのままRTした場合,それは原則として賛同を示す行為になるのか?

■今回のテーマ 今回のテーマは,「Twitterで他人の投稿をそのままRTした場合,それは原則として賛同を示す行為になるのか?」です。 この点がテーマとなった裁判例があり*1,裁判所は,「原則として賛同を示す行為になる」という判断を示しました。 今回は,…

【刑事】無罪推定って何? それは本当に無罪推定の問題ですか?

■今回のテーマ 今回のテーマは,刑事事件に関する報道などで時折登場する「無罪推定(無罪の推定)」とは何なのか? それはどういう場面で適用される原則なのか?です。 そのため,本稿は,特段目新しい内容をお伝えするものではありません。ただ、議論の整…