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法律事務所ミライト・パートナーズのブログ

大阪市北区梅田1‐1‐3 大阪駅前第3ビル31階にある金融法や民事事件を重点的に取り扱う法律事務所です(TEL 06-6341-0135)

父親 or 母親が違う兄弟姉妹がいる場合の法定相続分について

家族法 相続

■今回のテーマ

「最近,母Aが亡くなりました。父Bと私Cのほかに,父Bと前妻・花子の間で生まれた兄・太郎(異母兄)がいます。私の母Aと,兄・太郎は血が繋がっていませんが,兄・太郎も母Aの遺産を相続するのでしょうか……?」

 

前妻花子―――父B―――母A(死亡)
     |    |
     |    |
    兄太郎   C

 

というわけで,今回のテーマは,「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(いわゆる半血の兄弟姉妹)の相続分」です。 

 

ちなみに,半血の兄弟姉妹については,次のような規定が定められています(民法900条4号) 。

法定相続分
民法第900条
 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

 

 

 

ときどき,弁護士でも急に聞かれると勘違いしてしまう方がおられるようです。

 

 尚,今回の記事では,(1)母Aと兄・太郎は養子縁組をしていない,(2)母Aが遺言書を作成していない,(3)寄与分特別受益等も問題にならないということを前提にしています。

 

 

■結論

上記設例の場合,兄・太郎さんは,母Aさんの遺産を相続しません。

 

なぜならば,兄・太郎さんは,母Aさんの「配偶者」でもなく,「子」でもないからです。

 

 

■説明

相続の問題を考える場合は,まずは,以下の3つのルール(条文)を当てはめて,頭を整理してみてください。

ちなみに,実務上,この作業を,「相続人の確定」と言うことがあります。

  1. 故人の夫 or 妻が生存している場合は,その夫 or 妻は,常に相続人になります(民法890条)。
  2. 故人の子供が生存している場合は,その子供は相続人になります(故人の子供が既に死亡している場合でも,故人の孫や曾孫などが生存している場合はその孫や曾孫などが相続人になります。民法887条)。
  3. 故人の子供(孫や曾孫などを含みます。)が生存している場合は,故人の両親や兄弟姉妹などは相続人になりません(民法889条)。

 

 

これらのルールを冒頭の設例に当てはめてみましょう。

前妻花子―――父B―――母A(死亡)
     |    |
     |    |
    兄太郎   C

 

亡くなった母Aさんには,父Bさんという夫がいますから,父Bさんは常に相続人になります(ルール1。民法890条)。

母Aさんには,Cさんという子供がいますから,Cさんは相続人になります(ルール2。民法887条)。

母Aさんには,Cさんという子供がいますから,母Aさんの両親や兄弟姉妹は相続人になりません(ルール3。民法889条)。

 

問題は,兄・太郎さんが,母Aさんの「子」に該当するかどうかです。つまり,ルール2(民法887条)が,兄・太郎さんに適用されるか否かが問題になります。

そして,兄・太郎さんは,母Aさんの実子ではありませんし,養子でもありません。ですから,ルール2(民法887条)は,兄・太郎さんには適用されません。

 

したがって,兄・太郎さんは,母Aさんの遺産を相続しません。

 

 

言い換えれば,冒頭の設例の場合,「半血の兄弟姉妹」という概念が問題になる余地はありません。

なぜならば,故人の「子」がいる以上,ルール3(民法889条)によって,「兄弟姉妹」の相続人が登場することはないからです。

 

つまり,「半血の兄弟姉妹」という概念が問題になるのは,故人の「子」がいない場合です。「故人の子」がいないために,誰かが「故人の兄弟姉妹として」相続する場合に問題になるのが「半血の兄弟姉妹」という概念です。

 

 

ここからは応用のお話です。

上記設例とは異なり,母Aではなく,父Bが死亡した場合,相続人になるのは誰でしょうか? 

 前妻花子―――父B(死亡)―――母A
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     |        |
    兄太郎       C

 

この場合も,上掲の3つのルールを適用するだけです。

まず, 亡くなった父Bさんには,母Aさんという妻がいますから,母Aさんは常に相続人になります(ルール1。民法890条)。

次に,亡くなった父Bさんには,Cさんと,兄・太郎さんいう2人の子供がいますから,Cさんと兄・太郎さんは相続人になります(ルール2。民法887条)。

 

冒頭の設例とは異なり,兄・太郎さんは亡くなった父Bさんの実子ですから,「子」として,父Bさんの遺産を相続します。Cさんも同じです。

この事例の場合,Cさんも,兄・太郎さんも,あくまで故人の「子」として相続をしていますから,半血の兄弟姉妹という概念は問題になりません。

 

 

では, Cさんの弟Dさんが亡くなった場合,相続には誰になるでしょうか。

弟Dさんには,妻も子供もおらず,父Bと母Aも亡くなっているとします。

 前妻花子―――父B(死亡)―――母A(死亡)
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     |        ┝――┐
     |        |  |
    兄太郎       C  弟D(死亡)

この場合,弟Dさんには,妻も子もいない以上,上掲のルール1~3は適用されません。また,弟Dさんの両親も死亡していますから,弟Dさんの兄弟姉妹が相続人になります(民法889条)。

 

このように,遺族が,故人である弟Dさんの「兄弟姉妹」として相続をする場合に半血兄弟が問題になります。

本件では,Cさんは,弟Dさんと同じ両親から生まれていますが,兄・太郎さんは父親しか弟Dさんと共通していません。そのため,兄・太郎さんは,半血の兄弟姉妹に該当します。

 

したがって,弟Dさんの遺産の3分の2をCさんが相続し,3分の1を相続することになります。

  

  

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